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Kawazポータルから移行/「インフラ」としてのアイドルマスター - KawazAdventCalendar4日目

※最終更新 2012.5.4 2:34

どうも、H.Hiroです。

@tunacookさんに「KawazAdventCalendarはアイマスで書けばいいと思うよ!」と誘われたので、少しずつネタを練ってました。 私がアイマスについて語るときはネタが多いのですが、ここではかなり真面目に語ろうと思います。

自己紹介

  • 情報系の大学院生
  • 絶賛就活中
  • プログラミング好き
  • 旅行好き

アイマスって何

インターネット上の各所で話題になっている+私がKawaz内で堂々と謳ってるのでご存知の方も多いかもしれませんが、「アイドルマスター」というゲームの略称です。

もともとアーケードのゲームで(2005年サービス開始)、後にXbox360に移植されています(その後の展開については後述)。

Xbox360に移植されたことで、動画共有サイトでプレイ動画やMADが多数現れ、知名度が大きく上がった、という経緯があります。

その他詳しくは、アイドルマスターとは - ニコニコ大百科あたりをご覧になるとよいかと思います。

この記事では、まず前半に「アイマスにはどんな作品があるのか」(ここでいう「作品」は、MADなどの二次創作は含みません)ということを簡単に説明したのち、最近アイマスについて思うこととして「アイマスのインフラ化」について書いていこうと思います。

「アイマス」の作品

  本編

どういう表記をすればよいか分からなかったのですが、ここでは「本編」という言葉を、「最初のアイマスであるアーケード版と、その流れを汲んでいるゲームシステムを持つもの」という意味で用いています。該当する作品は以下のものです。

  • アイドルマスター(無印)【アーケード:2005年7月、Xbox360:2007年1月】
  • アイドルマスターSP【PSP:2009年2月】
  • アイドルマスターDS【Nintendo DS:2009年9月】
  • アイドルマスター2【Xbox360:2011年2月、PlayStation3:2011年10月】

自分がアイドルのプロデューサーとなって、トップアイドル目指してファン数を増やしていく、というのが基本的な目標です。レッスンで実力をつけ、お仕事をして思い出を作り、オーディションでファンを増やすという流れです。(DSは例外で「自分がアイドルとなって動く」という設定になっていますが、ゲームシステムに大差はありません。また、SP・DS・2では下記の内容に加え様々なシステムが追加されていますが、割愛します。)

  • 担当アイドル
  • レッスン
    • 指定された場所をタッチパネルでタッチする[^1]、指定された順序に選択するなどのミニゲーム的なものです。パーフェクトレッスン(能力上昇が最大)を出すのはなかなか難しい。
  • お仕事
    • アーケード版だと「コミュニケーション」、Xbox360版だと「営業」と表記されています。担当しているアイドルに何か尋ねられたときに「2〜3個の選択肢から応じてあげる」という内容で、これが上手くいくほど獲得できる「思い出」の数が増え、オーディションで有利になります(詳細は割愛)。という一つのゲーム要素なのはもちろんなのですが、「会話を楽しむ」というギャルゲー的要素も含んでいます。
    • 参考記事:毎日ムキムキ アイドルマスター 2 レビュー(アイマスは育成ゲームでもありギャルゲーでもある、という観点での考察)
  • オーディション
    • ファン数を大きく増やせるのがオーディションです。ライバルとなるアイドルもいて(無印の場合は自分含め6組)、規定の順位以内に入らないと合格となりません。

  本編以外のゲーム

  • アイドルマスター ライブフォーユー!【2008年2月】
    • 略称「L4U!」。Xbox360向けソフトです。プロデューサーの立場ではなく、ファン(から特別に選ばれた一人)の立場として動きます。ゲーム自体は音ゲーなのですが、どちらかといえば「アイマスのPVを楽しむ[^2]ためのソフト」という位置づけのようです。
  • アイドルマスターモバイル エリアゲーム【2010年12月】
    • 位置情報ゲームの一つで、「日本全国でお仕事をする」ことを目指します。ガラケー版iPhone版があります(Androidは現在対応なし)。
    • 具体的には、営業を行うボタンを押すと、自分の現在地(携帯の測位機能で検出)が属する「エリア」で営業を行ったことになります[^3]。単に営業を行ってファン数を増やすほか、「営業を行ったことのあるエリア数を増やす」ことも目標となります。
  • アイドルマスター シンデレラガールズ【2011年11月】
    • 最近話題になっている、アイマスの**モバゲー進出**。これまでは1つのゲーム内にせいぜい10数人のアイドルしか登場しなかったのですが、こちらは100人以上登場。ゲームシステムは以下のような具合です。
      • お仕事をすると、お金がもらえる&ファンが増える&時折新規にアイドルが所属する(=カードが手に入る)。お仕事をするためにはスタミナが残っている必要があり、これが切れるとお仕事は出来ない。スタミナは一定の時間ごとに回復するほか、有料のアイテムでも回復可能。
      • アイドルのレッスン(=レベル上げ)は、他のアイドルを使って行われる。なおそのために使ったアイドルはいなくなる。
      • 他のプレイヤーと対戦できる。勝利すると衣装を奪うことが出来、同種の衣装を(自力で入手したものも含め)6色集めると、特典のアイドルが所属する。
    • つまりは基本的に、他の「カード収集+対戦型ゲーム」と変わらないです。ただ用語はアイマスの世界観に合わせるためかなり変更されています。例えば、他の類似ゲームにおける「カード売却」は、アイマスでは「移籍(アイドルを手放してお金を入手するため)」と呼ばれたり。
      http://www.youtube.com/watch?v=LPu_9mJ3ehw

  ゲーム以外の展開

  • ライブ/CD
    • アニメ作品では、キャラソン(各キャラクターをイメージした歌)投入など関連音楽を多数作る例が色々と見られますが、アイマスはそれに近いものがあり、ゲームのみの作品としてはかなり音楽に力を入れていると思われます[^4]。
    • ライブは2006年に1stライブが行われており、その後年に1回のペースで開催。2012年6月には7thライブが行われます。2011年は全国ツアーとして行われ、札幌のアイマスファンも(私含め)熱狂していました。
    • CDでは、ゲームに登場するものとは別の曲が多数投入されており、むしろゲーム中では使えない曲が大量に存在するレベルだったりします。アイドルごとの持ち歌(他の作品でいう「キャラソン」に近い)として新規に作られた曲も何シリーズかあるため、アーケード版から出ているアイドルだと、持ち歌が1人4〜5曲あったりします。
  • アニメ化
    • 2011年7月にアニメ放送が開始されました。過去のゲームのシーンの細かい話なども元にしつつ、一つのアニメ作品として仕上げられています。
    • なお2007年4月開始のアニメ「アイドルマスターXENOGLOSSIA」は、キャラクターこそ原作(ゲーム)と共有しているものの、ストーリーとしては全く別物です[^5]。

最近アイマスについて思うこと

  アイマスの「インフラ化」

最近アイマスについて思うのは、良い意味で「アイマスのインフラ化が加速している」ということだと思っています。

ここで「インフラ」という言葉は、「ある一定のものを取り扱う上での基盤になっているもの」という意味で用いています。「特定の話題/人々における共通言語」みたいに捉えてもよいです。

アイマスについて具体的な事例を挙げると、

  • YouTubeやニコニコ動画などで流行った結果、アイマスにそこまで力を注いでない人であっても、YouTubeやニコニコ動画で積極的に情報を仕入れている人であれば、必然的にアイマスのことを目にするようになっている。
  • アイマスを既によく知っている人についても、アイマスと他作品を組み合わせたMADやイラストなどをきっかけに、他の作品を知ることが多々ある。すなわち、アイマスが他の作品への入口になったりしている。

ということが言えます。つまり、様々な人の目、様々なネタが集まる結節点となっていると考えられるわけです。これはニコニコ動画で一大カテゴリをなす「東方」「Vocaloid」などとも共通していると言えます[^6]。

  最近の動向(1) - アイマスというものに触れる人の新規開拓

さて、上述した「アイマスのインフラ化が加速している」ということの一つに、アイマスというものに触れる人の新規開拓が急速に進んだ、ということを挙げようと思います。

アイマスは徐々にファンを広げてはきていましたが、それは主に、上記でいう「アーケード/家庭用ゲーム」「CD・ライブ」の世界、あるいはMADをはじめとした二次創作の世界が中心でした。

そこを別の角度から広げたのが、2011年7月のアニメ化と、2011年11月のモバゲー進出だと考えています。これにより、色合いの異なる層にアプローチが出来たのではないかと考えています。つまり、「アニメが好きだから」とか「モバゲーやってるから」という、「それまでのアイマスファンの層と直接は重ならない」「そんでもって人数の絶対数は多い」層へアプローチ出来たのではないかと思うのです[^7]。

私の推測ですが、製作元のバンダイナムコゲームズも、そういう「アプローチする層を広げたい」という意図があって、こういうアニメ展開やモバゲー進出を行ったのかな、と考えてます。余談ですが、当初据え置きゲーム機ではXbox360でのみ出ていたアイマスが、アイマス2ではPlayStation3版を遅れながらも出したことも、日本ではシェアの低いXbox360に固執しすぎるのは得策でない、という心理が働いたのかな?と感じます[^8]。

  最近の動向(2) - 「アイマス」内に存在するネタの質的・量的進化

また「アニメ」「モバゲー」の二つが登場したことによって、アイマスとして存在するネタの質的・量的な進化が起きたと考えられます。もっと言ってしまうと、二次創作者にとって急激に元ネタとなるものが増えた、とも言えます。

まずアニメについては、ゲーム版と違って人物を見る視点が様々なのです。「登場人物が近づく/遠ざかる」とか、「何人かで話している」とか。ゲーム内のシーンをMADに使おうとすると、大抵「曲に合わせて踊る」か「向かい合って話す」になるため、これは大きな変化だと考えています。

またモバゲー版については、それまで10数人だった(厳密にはもう少し多いけど)アイドルが一挙に100人以上に増えたため、各アイドルの特徴を生かす余地が大幅に増えた、というのが大きいでしょう。
また各アイドルの性格はプロフィールやセリフからある程度見えるものの、あまり多くは与えられていない(一人10セリフ程度?)ことから、公式には設定されていない特徴を皆が試行錯誤しながら作り上げている、というのが見受けられます。

おわりに

私が2008年にアイマスに首を突っ込み始めてから、アイマスは私が飽きることなく話題を提供し続けてきてくれたなーと思ってます。

アイマスのインフラ化は、まだもう少し続くと思ってます。アイマスはまだまだタイアップの先を広げてますし[^9]。一方、こういうインフラ化を新たに推し進めるのが難しくなったときに(成長しきってしまったあとに)どういう展開をしてくるのか、というのも興味があるところですが。

私にはまだまだ、アイマスとは長い付き合いになりそうです。

最後に。私はアイマスでは「導線P」という名前で活動してます。ぐぐって凸してもいいのよ。

  • [^1]: なお、タッチの操作が出来るのはアーケード版とDSのみなので、他については十字キーで操作するなどの代替策があります(難易度設定も違いがあります)。
  • [^2]: あるいはMADを作るか。
  • [^3]: ちなみにエリアの設定は、docomo提供の「オープンiエリア」によっています。エリア分けは http://mensath-net.info/imas505map/ をご覧下さい。
  • [^4]: アニメは2011年7月放送開始ですが、それ以前から音楽コンテンツが強化されていた、という意味で。
  • [^5]: むしろ「どうしてこうなった」レベルに違っています。詳しくはアイドルマスターXENOGLOSSIAとは - ニコニコ大百科あたりを。
  • [^6]: なお「アイドルマスター」「東方」「Vocaloid」のタグは、2009年10月29日のニコニコ動画のカテゴリ再編により、普通のタグではなくカテゴリタグとして指定するようになりました(従来はその作品の内容に応じて「音楽」「ゲーム」などのカテゴリタグが付けられていました)。
  • [^7]: 私の周りに結構いるもので。
  • [^8]: 余談の余談ですが、PS3版の方がXbox360版よりも付加機能が多いため、Xbox360版のプレイヤーの批判や落胆は正直多いです。
  • [^9]: 最近では、タイアップをバンダイナムコゲームズ側から提案するのみならず、タイアップの応募を受け付けるようになりました(リアル765プロ企画)。ちなみに最近話題になった事例だと明治のプリンの蓋がアイマスになったりとか。